Windfall Elimination Provisionについて

日本とアメリカの両方で年金を受け取る場合、アメリカの年金が減額されるWindfall Elimination Provisionという制度がある。この制度について調べてみたのでメモ。

アメリカの年金制度について

まず、アメリカでの年金がどのように計算されるのかを知る必要がある。インフレの考慮や、年金取得開始年齢による増減などがあるが、今回はそのような部分は省略し、おおざっぱに解説する。

まず、Social security taxを支払っていた期間の平均月収を計算する。この計算の際には、働いていた期間の上位35年分のみを計算する。例えば、20歳から55歳まで平均月収10000ドルで、55歳から60歳まで平均月収2000ドルだったというような場合、年金の支払額の計算に使う平均月収は10000ドルとなる。働いていない期間は0ドルとして計算する。

次にその平均月収の額を3分割にする。分割の仕方は毎年変わっていくが、例えば2020年に62歳になる場合だと、最初の960ドル、960から5785ドル、5785ドル以上、の3分割になる。平均月収10000ドルの場合だと、960ドル、4825ドル、4215ドルの三分割。

その分割した値にそれぞれ係数を掛けていく。この係数も変わっていくが、2020年の例では90%、32%、15%。月収10000ドルの例だと、960 * 0.9 + 4825 * 0.32 + 4215 * 0.15 = 3040.25ドル。この金額が毎月支給される金額のベースとなる。

何が問題か

この計算方法によると、より平均月収の少ない人の方がより多くの割合を年金として貰えることになる。例えば平均月収960ドルなら、その90%が毎月貰える一方、平均月収10000ドルだと毎月その30%しかもらえない。低所得者層を優遇するという意味ではあるが、ここでSocial Security taxを支払わない別の収入源がある人がいると、実際には低所得ではないのに不当に優遇されてしまうことになる。それを防ぐために作られたのがこのWindfall Elimination Provision制度である。

いくら減額されるか

この制度によって、そのような他に収入源のある人は、年金の支給額計算の際の係数が変更される。具体的には、最初の960ドルにかかっていた90%という係数が、最大40%まで減らされることになる。50%の減額となるので、最大で960*0.5=480ドルの減額である。

実際に係数がいくつになるかは、アメリカで働いた年数によって決まる。今のところは働いた年数が20年以下であれば40%、21年ならは45%、というように5%毎に続き30年以上であれば90%となる。

また、減額される額は、最大でも他に貰う年金の半額までとなっている。例えば日本でもらう年金が毎月500ドル相当だとすれば、減額は最大でも250ドルとなる。

日本人ではどのような人が対象になるか

ここからは自分では根拠を調べ切れていない情報なので注意。

日本の年金制度でこの制度の対象となってしまうのは、厚生年金等らしい。国民年金や確定拠出年金等の雇用と関係のないものは対象外。

また、アメリカで10年以下の労働でありながら、日米社会保障協定に基づいてアメリカの年金を受給する場合も対象外となるらしい。

参考文献

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