非常用救急セットの準備

非常時に持ち出す用の救急キットとして個人ではどのようなものを用意すれば良さそうか調べてみた。ネットで簡単に調べたものなので内容に関する責任はとれないので注意。

大量出血への対策

人間は大体20%くらいの血液を失うと出血性ショックに陥るらしい。動脈を損傷し、大量出血が始まった場合、30秒以内程度に処置を行わなければならない。ガーゼを取り出して、包帯を取り出して、などとやっていると手遅れになる。この場合、できることは2つしかない。まずは直接圧迫による止血。それが行えない場合、もしくは直接圧迫でも止血できない場合は止血帯による間接圧迫。

いずれにしても病院へ到達するまでの時間稼ぎである。止血と同時に救急車を呼ぶことを忘れずに。

直接圧迫止血

常識としておそらく誰でも知っている方法。怪我した部分を直接圧迫して血を止める。これに関する道具としては、Israeli bandageおよびその後継のものが一般的になっているらしい。Israeli bandageはその名の通りイスラエルで開発された止血道具。1980年代ころの話らしい。ガーゼと包帯が一体化したようなもので、パックを開け、ガーゼ部分を患部に当て、そのまま巻き付ける。患部に圧力をかける器具がついており、適切に圧迫して止血することができる。

具体的な製品として有名どころを紹介する。

まずはこれ。オリジナルのIsraeli bandage。ただし、もう古くなっており機能的に劣るのでお勧めはされない。

つぎにこれ。オリジナルの後継版。T3。取り外し可能なガーゼがついていたり、緩み防止機能がついている。

そしてこれ。North American RescueのEmergency Trauma Dressing。シンプルな構造。圧迫機構はついていないが、包帯をねじることで患部に圧力を加えられるので不要らしい。

最後は、Tactical MedicalのOLAES。カップ型の圧迫機構がついている。これは一番多目的に使え、カップは取り外して目の保護に使えるし、また、ガーゼや気胸対策のシートも含まれている。

T3とETDとOLAES、どれを選んでもよいと思う。使い慣れたものを使うと良い。

間接圧迫止血

止血帯を使う。手で押さえて間接的に止めるのは困難なので諦める。有名どころの製品を上げると、以下の二つ。

NARとTacMedの製品。どちらも機能的には大きく変わらない。

使用時に激痛を引き起こしたり、致命的な症状を引き起こす場合もあるようだが、止血できなければ死ぬような状況で気にすることはないと思う。事前に練習し、注意事項も確認しておいたほうが良い。

軽い出血への対策

命に係わるほどではない出血の場合。傷口を洗浄し、傷口に張り付かないタイプのガーゼを貼る。ガーゼは滅菌済みで個別包装されたものを用意しておくと便利。

例えばこのようなもの。

止血剤が塗布されたガーゼも販売されている。お金に余裕があればそれも選択肢に入ると思う。

破傷風等の予防接種を事前に受けておくことは当然として、感染症の兆候が見られる場合はすぐに病院へ行くこと。傷口洗浄以上に家庭でできることは無い。

開放性気胸への対策

出血よりは頻度が低いと思うが、胸部に貫通するような穴が開いてしまった場合の対策。この場合は傷口から空気が入り、肺へ空気が送り込めなくなってしまう。1秒を争うような事態ではないので優先度は止血の次でよい。やるべきことはひとつ、穴をふさぐこと。非常時には、空気が入りさえしなければ何でふさいでも良い。ビニール袋だったり、サランラップだったり。これも専用のパッドが売っている。銃撃された場合は、2か所の穴をふさぐことを忘れずに。


無差別銃撃事件の被害者の中でも、この処置が行われていれば助かった人は少なくないらしい。パッド自体は小さいので救急セットに入れておいて損はない。

その他

  • はさみ
  • 鎮痛剤等の内服薬
  • 消毒薬や抗生物質。傷口が汚染された場合に備えて
  • 手袋。他人を助ける場合、血液感染の防止に

そして大前提として。これらの道具をそろえる前に、救命講習などに参加して一般的な知識をつけておくこと。そして周囲の人にもその知識を与えておくこと。道具よりも、心臓マッサージや人工呼吸などの一般的な知識のほうが役に立つ可能性ははるかに高い。

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